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みやま市

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施政方針(令和6年第1回市議会定例会)

更新日:2024年2月29日

持続可能な開発目標1.貧困をなくそう2.飢餓をゼロに3.すべての人に健康と福祉を4.質の高い教育をみんなに5.ジェンダー平等を実現しよう6.安全な水とトイレを世界中に7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに8.働きがいも経済成長も9.産業と技術革新の基盤をつくろう10.人や国の不平等をなくそう11.住み続けられるまちづくりを12.つくる責任 つかう責任13.気候変動に具体的な対策を14.海の豊かさを守ろう15.陸の豊かさも守ろう16.平和と公正をすべての人に17.パートナーシップで目標を達成しよう

施政方針とは、市長の施政方針に対する基本的な考え方や主要な施策について述べたものです。
令和6年2月29日、市議会定例会において松嶋市長は施政方針を表明しました。

施政方針

本日、ここに令和6年第1回みやま市議会定例会を招集しましたところ、議員の皆様におかれましては、ご出席を賜り、厚くお礼を申し上げます。
また、日頃より、本市の市政運営にあたりまして、ご理解ご支援を賜り、衷心より感謝申し上げます。
本議会に提案いたします議案の説明に先立ちまして、新年度の施政方針を申し上げ、議員の皆様をはじめ、広く市民の皆様のご理解を賜りたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、冒頭申し上げましたように、事故により大切な児童の命が失われたことは、痛恨の極みであります。将来を担うこどもは、本市のかけがえのない宝ものであり、命の尊さ、大切さを深く胸に刻み市政運営を進めてまいります。
さて、昨年12月に公表されました、国立社会保障・人口問題研究所による「地域別将来推計人口」では、本市の令和32年(2050年)の推計人口を2万1,323人とし、高齢化率は46.2%となり、0歳から14歳の推計人口は2,152人で、本調査の起点となる令和2年(2020年)国勢調査の数値と比べて46.1%の減、さらに、15歳から64歳の生産年齢人口は9,326人で、48.4%の減となっております。
このことから、本市の人口減少、少子高齢化はさらに加速する見込みであり、特に、進学や就職時の転出が多く、福岡市などの都市圏への転出が増え、社会減が進んでいる状況にあります。人口ビジョンにおける将来展望は、令和32年の人口を2万6,829人として地方創生の総合戦略を進めており、まさに、待ったなしの状況となってまいりました。
日本の総人口が減少する中、人口減少に対して、いかに歯止めをかけていくのか、また、人口が縮小することを前提としたまちづくりをどう進めていくのかが、どの自治体においても最大の課題となっております。
令和6年度は、「第2期みやま市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の計画期間が終了することから、次期の人口減少対策や移住・定住施策の指針となる第3期の総合戦略を策定してまいります。私が舵を取り、進むべき方向を定めて、本市の地方創生を推進してまいります。
一方、コロナ禍を経験したことで、デジタルの活用など、新しい生活スタイルや社会活動における意識の転換が加速し、あらゆる側面で「変革」の時を迎えております。
本市が、将来にわたり安定した行政サービスを提供するには、市民の皆様のニーズを的確に捉え、複雑化、多様化する「変革」の時代に沿った、新たな発想による行政サービスを展開する必要があります。もはや前例踏襲の考え方では、時代の流れに遅れをとることになります。
そのためには、職員と一丸となって、力を合わせ、知恵を出し、汗を流し、時代の流れに沿う、新たな行政サービスを展開し、この「変革」の時代を邁進してまいります。

まず、国の令和6年度地方財政対策でございます。
社会保障関係費の増加はもとより、物価高への対応、こども・子育て政策の強化、脱炭素化・デジタル化の推進、防災・減災対策など、地方の歳出増加を踏まえて、行政サービスを安定的に提供しつつ重要な課題に取り組めるよう、地方交付税等の一般財源総額は、交付団体ベースで前年度を約6,000億円上回る62兆7,000億円を確保いたしました。
また、個人住民税の定額減税による減収分は、地方特例交付金により、全額を国費により補填することとなり、地方財政への対策は、一定の評価ができるものと考えております。

次に、本市の財政状況でございます。
令和4年度の決算では、財政構造の弾力性を示す経常収支比率が90.4%となり、財政の硬直化は進んでおります。財政運営では、歳出に対する歳入の不足が続き、基金の繰入により、収支の均衡を図っている状況であります。
近年、人件費をはじめ、地方債の償還である公債費や社会保障の扶助費などの義務的経費が増加しており、また、公共施設の老朽化による物件費や維持補修費なども増加傾向にあります。
人口減に伴い市税が減少する中で、財源確保が大きな課題となります。
まず、国や県の補助制度を十分に活用することが肝要であります。補助制度を活用するために必要となる計画などは、積極的に策定してまいります。
また、ふるさと納税を積極的に活用する必要があります。ふるさと納税の収入額は、地方交付税の収入算定に含まれず、一方、市民の皆様のふるさと納税による市税の減少分は、その75%が地方交付税に算入されます。よって、ふるさと納税額を増やすことは、直接的な一般財源の確保に繋がります。増額に向けた取組として、新たな返礼品や体験型返礼品の開発、新規ポータルサイトへの加入を進めてまいります。また、企業版も含め、ふるさと納税の確保に向け、私自身がトップセールスに励んでまいります。
地方債につきましては、過疎対策事業債をはじめ、緊急浚渫推進事業債や緊急自然災害防止対策事業債など、交付税措置率が高い有利なものを活用してまいります。これまでも同様の財政運営を行っており、起債残高は、高止まりしておりますが、その約7割強の償還額は、地方交付税の算定に含まれることとなっております。
このように、財源を確保しつつ、「みやま市行政改革プラン」を確実に実行することで、成長と健全化が両立しうる財政基盤を確立し、持続可能な行財政運営に取り組んでまいります。

それでは、令和6年度の3つの重点施策につきまして、ご説明いたします。

1点目は、ワンヘルスの推進でございます。

昨年、広島で開催された主要7カ国首脳会議(G7)の共同宣言では、感染症対策にワンヘルスアプローチを強化することが明記されました。また、国の経済財政運営と改革の基本方針(2023骨太の方針)において、ワンヘルスアプローチを促進し、国際的にも主導的な役割を果たすことが示され、国内外で、ワンヘルスの動きが加速してまいりました。その先駆的な役割を担っているのが、福岡県であります。
本市は、県と「みやま市からの譲渡物件の活用に関する協定書」を締結いたしました。その中には、ワンヘルスセンター内に、ワンヘルスを学び、体験できる設備や、国内外の研究者が集う設備を整備することで、本市の地域発展に寄与すると明記しております。
先日、「第4回福岡県ワンヘルス国際フォーラム」に参加された世界獣医師会会長をはじめとする世界トップクラスの研究者が本市を訪れ、ワンヘルスセンター建設予定地である大学跡地の見学や、本市のワンヘルスの取組を視察されました。
ワンヘルスセンターは、国際的な機能を兼ね備えており、ワンヘルスの取組や研究データなどが世界に発信される際には、日本の福岡県みやま市が表示されます。本市の知名度は向上し、国内外からの来訪者が増え、人の動きが活発になることが予想されます。
この光景を思い描き、本市の商工・観光を強化し、さらには関連産業の企業誘致を目指し、「ワンヘルスのまち みやま」のまちづくりを進めてまいります。
令和6年度は、ワンヘルス実践の指針となる「みやま市ワンヘルス推進行動計画」に基づく具体的な施策を展開いたします。市民の皆様には、ワンヘルスの理念をご理解いただくため、ワンヘルスの取組などの情報提供を充実してまいります。
本市の教育委員会では、全小中学校の教育課程にワンヘルス教育を取り入れ、全国初の実践教育を展開しており、令和6年度は、研究指定校である桜舞館小学校と大江小学校が成果発表を予定しております。さらに、山門高校の「Oneヘルスクラブ」の実践発表が報道に大きく取り上げられるなど、ワンヘルス教育が活発になってまいりました。
「まちづくりは人づくり」と申します。ワンヘルス教育が全国のモデルとなり、児童生徒が、ワンヘルスを理解し、実践できるよう人材育成に努めてまいります。

2点目は、ゼロカーボンシティの取組でございます。

本市は、バイオマスセンター「ルフラン」での生ごみの資源化やみやまスマートエネルギーによるエネルギーの地産地消など、他市に先駆けて、持続可能な資源循環型社会に向けた取組を推進しております。
まず、世界の環境情勢に目を向けますと、世界気象機関(WMO)は、2022年度の主要な温室ガス、二酸化炭素の大気中の世界平均濃度が過去最高を記録したと発表いたしました。今のレベルでは、パリ協定の目標値をはるかに上回る気温上昇が予想され、さらに猛暑や大雨などの異常気象が起き、社会経済的な負担が急増すると警鐘を鳴らしております。
自然災害の脅威から市民の皆様を守るためには、国土強靭化対策をはじめとする防災・減災対策を強化する一方で、背景となる異常気象がなぜ発生するのか、根本的な問題に対して、しっかりと目を向けた取組が重要となってまいります。
本市は、持続可能な社会を次世代に残すために、「ゼロカーボンシティみやま」を表明し、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指しております。そして、地球温暖化対策をさらに推進するため、その指針となる「第2次地球温暖化対策実行計画」を策定いたしました。
地域脱炭素の推進は、主に温室効果ガスの削減でありますが、一方では、地域課題を解決し、地域の魅力と質を向上させる地方創生に繋がるものであります。
令和6年度は、温室効果ガスの排出量の削減を促進し、国の脱炭素先行地域に選定されるよう、市民の皆様、事業者の皆様、行政の三者が連携し一丸となって、取組を推進してまいります。また、ゼロカーボンの先導役であるゼロカーボンマイスターの育成を強化してまいります。
新規事業といたしまして、省エネ家電買替促進事業に取り組んでまいります。家庭における電力使用料金の負担軽減、温室効果ガスの削減および省エネに向けた意識の高揚を目的に、省エネ家電買替費用をデジタル地域通貨により補助いたします。
市役所においても、公用車をガソリン車から電気自動車へと計画的に更新し、温暖化対策や温室効果ガスの排出削減に向けた取組を率先して進めてまいります。

3点目は、出産・子育て支援事業の取組でございます。

国は、「こども家庭庁」を設置し、こども基本法を施行いたしました。こどもの視点に立った政策を社会全体で総合的に推進するとし、出産・子育て支援を強力に押し進めております。令和6年度の地方財政対策におきましても、こども・子育て政策の強化にかかる財源を確保いたしております。
本市といたしましては、こどもたちが「みやまで生まれてよかった」、「みやまで育ってよかった」と言えるよう、福祉、健康、医療、教育とさまざまな分野で、安心して、こどもを産み育てる環境整備や支援体制を充実してまいります。
また、出産・子育てを支援することは、出生率の上昇や子育て世代の転出抑制と転入増加へと繋がります。このことは、本市の人口減少に歯止めをかけることになります。そのために、切れ目のない一貫した子育て支援を進めてまいります。
新規事業といたしまして、母子保健機能である子育て世代包括支援センターと、児童福祉機能であるこども家庭総合支援拠点を、その機能を維持した上で統合した「こども家庭センター」を設置いたします。センターには統括支援員を配置し、それぞれの機能が連携強化されることで、虐待の予防や早期発見をはじめ、妊娠期や子育て期における切れ目ない支援を強化してまいります。
また、「みやまおむつお届け便事業」に取り組みます。子育て経験のあるスタッフが自宅におむつを届け、経済的支援とおむつを買いに行く負担の軽減を図るとともに、その際、子育てについての困りごとを相談できる機会を設けるなど、必要に応じた支援に繋げ、安心して子育てができる体制づくりを構築してまいります。
そして、「ファミリー・サポート・センター事業」の開所日を増やしてまいります。土曜日の開所を月2回から毎週とし、利用者のニーズにお応えいたします。
さらに、堀池園団地跡地を、子育て世帯の移住、定住を促進するための宅地分譲地として、売却を進めてまいります。それに併せ、子育て支援のマイホーム補助制度を拡充いたします。

以上、令和6年度の市政運営における、3つの重点施策を申し上げました。
九州自動車道みやま柳川インターチェンジや有明海沿岸道路などの優れた交通網を背景に、ワンヘルスセンターによる交流人口を活かした地域経済の活性化や企業誘致による雇用創出、また、ゼロカーボンシティによる持続可能で豊かなくらしの実現、さらには、出産・子育て世代への支援とワンヘルス教育など特色ある教育の実践、この3つ重点施策が相乗効果をもたらすことで、本市が「選ばれるまち」となるよう推進してまいります。

皆様のご理解、ご協力を賜りますようお願いいたします。

次に、令和6年度当初予算案における、持続可能な質の高い行政サービスを実現するための各種事業を、第2次みやま市総合計画の7つの政策分野に沿って、ご説明いたします。

魅力あふれる住みやすいまちづくり

はじめに、「魅力あふれる住みやすいまちづくり」について申し上げます。

まず、計画的な土地利用の推進でございます。
令和6年度で、「みやま市都市計画マスタープラン」の改定が完了いたします。当初の策定から10年程が経過しており、社会情勢や都市基盤の整備状況の変化を踏まえ、さらには、「ワンヘルスのまち みやま」のまちづくりを視野に入れて改定してまいります。

次に、利便性の高い地域交通体系の整備でございます。
集落間を結ぶ幹線道路の整備は、車両運行の円滑化と歩行者の安全に寄与し、地域活力の更なる向上に資することとなります。
坂田・竹飯線をはじめとする、日常生活に密着した道路の整備は、地域の実態を踏まえ、社会資本整備総合交付金を活用し、計画的に進めてまいります。
県道の高田山川線を国道208号線へ延伸することは、有明海沿岸道路への交通アクセスを向上させ、地域振興に資することから、その実現に向けて、県と連携・協力のもと進めてまいります。
公共交通では、「みやま市地域公共交通計画」に基づき、持続可能な地域公共交通を確保してまいります。デマンド運行による新たな移動サービスの実証やそれに伴うコミュニティバスの運行体制の見直しなど、利用者のニーズに沿った、利便性の高い地域公共交通体系を目指してまいります。
なお、公共交通を担ってきた自動運転サービスのコミュニティバス路線を廃止いたします。自動運転車両は、清水山などの観光地や各種イベント時において、グリーンスローモビリティとして試験的に活用し、新たな需要等を検証してまいります。
また、駅前の市営駐輪場について、地域住民をはじめ通勤通学者から屋根の設置を要望されており、利用者の利便性向上のために、JR・西鉄の各駅の駐輪場に屋根を整備してまいります。

次に、良好な住宅環境の整備でございます。
空家対策では、「みやま市空家等対策計画」に基づき、空家の適正管理を促すとともに、利用可能な空家は、空き家バンク制度を積極的に奨励し、保安上危険な老朽家屋については、その撤去を支援してまいります。
市営住宅は、「公営住宅等長寿命化計画」を見直し、老朽化している団地を計画的に整備してまいります。

次に、上下水道の整備でございます。
上下水道の経営は、人口減少を要因として料金収入の減少が見込まれる一方、支出面では、施設・設備等の老朽化に伴う更新投資が増大しており、経営環境は厳しさを増しております。そこで、将来にわたり安定した事業を継続するために、目指すべき姿と方向性を示した経営戦略を見直してまいります。

自然を育む安全安心なまちづくり 

2点目の「自然を育む安全安心なまちづくり」について申し上げます。

まず、地域が一体となった循環型社会の形成でございます。
ごみ分別・リサイクル活動などを通して、ごみ焼却量の削減を推進しており、市民の皆様の環境に対する意識も高まってまいりました。
柳川市との共同による有明ひまわりセンターは、稼働後2年が経過し、市民の皆様のご協力により、順調に燃やすごみの減量化が進んでおります。
また、旧清掃センターの解体工事を進めており、令和6年度中には、解体が完了する予定であります。解体後は、リサイクルのためのストックヤードの建設を計画いたしております。

次に、エネルギー政策の推進でございます。
みやまスマートエネルギー株式会社との連携を強化し、再生可能エネルギーの地域資源を最大限に活用することで、エネルギーの地産地消を推進してまいります。さらに、一般家庭や事業者への省エネ診断・相談事業、また、省エネセミナーなどの啓発事業に取り組み、ゼロカーボンシティを推進してまいります。

次に、防災対策の推進でございます。
令和6年能登半島地震により犠牲となられた方々に哀悼の意を表し、被害に見舞われ、厳しい生活を送っておられる被災者の方々に、改めてお見舞いを申し上げます。
自然災害は、ますます激甚化しており、また、感染症による複合災害の対策なども加わり、ハード・ソフトの両面から防災対策を充実し、市民の皆様の被害を最小限に食い止め、安心して暮らせる災害に強いまちづくりを推進してまいります。
令和6年度は、自主防災組織の設立、登録防災士の養成、校区防災マップや個別避難計画の作成など、地域防災力のさらなる強化に努めてまいります。
また、WEBによる災害情報等公開システムを有効活用し、災害時に安全かつ迅速に避難できる体制を構築してまいります。
大雨による雨水対策では、令和6年度に下庄雨水ポンプ場の1号機、2号機の整備が完了しますので、残りの3号機、4号機、付帯設備の改修に向けて、ストックマネジメント計画を策定いたします。
さらに、中小河川、クリークなどの先行排水や田んぼダムの活用など、流域治水を強化してまいります。
国土強靭化対策では、急傾斜地の崩壊対策、ため池の浚渫、ため池ハザードマップの作成などに取り組んでまいります。

次に、消防・救急体制の充実でございます。
令和6年度から、筑後地域消防本部の消防通信指令センターの指令システムおよび消防救急デジタル無線システムを更新してまいります。
消防本部では、救急救命士や予防技術資格者など、専門的な技能・技術を持つ職員を養成し、多様化、複雑化する各種災害への対応を可能とすることで、高度な住民サービスを提供してまいります。
市民の皆様には、家庭における防火対策や救急時の応急手当などの普及啓発を進め、また、デジタル技術を活用した火災予防の電子申請やVR(仮想現実)機器による体験型の防火・防災教育を推進してまいります。
消防団活動については、訓練や行事内容を見直すことで、団員の負担軽減を図り、活動しやすい環境整備に努めてまいります。また、消防団組織再編計画に基づき、山川東部地区の3つの分団格納庫を統合して、旧山川東部小学校跡地に山川東部格納庫を建設してまいります。

次に、防犯対策・交通安全対策の推進でございます。
柳川警察署をはじめ、安全・安心まちづくり推進協議会や防犯協会と連携し、安全で安心なまちづくりを推進してまいります。LED型防犯灯への取替えを支援し、地域との連携による防犯対策を充実強化してまいります。
交通安全対策では、カーブミラーやガードレールなどの交通安全施設の整備を促進し、また、運転免許証の自主返納を支援しながら、高齢者の交通事故の防止に努めてまいります。 

地域の特色を生かした活力あるまちづくり

3点目の「地域の特色を生かした活力あるまちづくり」について申し上げます。

まずは、農林水産業の振興でございます。
本市の基幹産業である農業では、担い手・後継者不足を解消するため、JAみなみ筑後や福岡県南筑後普及指導センターと連携し、親元就農を含む新規就農者を支援してまいります。
また、ICTを活用したスマート農業の推進や老朽化した土地改良施設の機能回復、また、防災減災事業による災害に強い農村地域のインフラ整備など、生産力の強化や農業所得の向上を支援してまいります。
さらに、農業者と地域が一体となり、中山間地域直接支払事業や多面的機能支払事業を活用した耕作放棄地の解消に取り組み、適切な農地の環境保全に努めてまいります。
有害鳥獣対策では、イノシシなどの侵入防止柵の購入助成を拡充し、また、駆除に係る人的支援や箱わなの増設など、猟友会と連携した駆除体制をいっそう強化することで、「害獣を獲る」と「農地を守る」の二本立ての対策を講じ、農作物の被害を防止してまいります。
また、道の駅みやまを地産地消の拠点とし、賑わいを創出することで、地元特産品のPRや農業者等の所得向上に努めてまいります。
農業基盤整備では、山川町甲田地区において、柑橘等の生産向上や高品質な山川みかんの栽培を促進するため、山間地基盤整備事業を本格着工いたします。また、高田町開地区において、経営基盤を強化し、生産力を向上するため、農業水利施設保全対策事業に着手し、揚水施設等の機能回復を図ってまいります。
林業の振興では、県の補助事業や国の森林環境譲与税を活用して、森林所有者意向調査を行い、荒廃した森林や竹林の再生整備を推進してまいります。
漁業の振興では、江浦漁港の施設環境を整備し、安全で円滑な漁業活動を確保し、利便性の向上に繋げてまいります。また、地域の環境保全を図るため、高田漁協の赤水対策事業を支援してまいります。

次に、商工業の振興でございます。
JR瀬高駅をまちの玄関口とした「JR瀬高駅周辺活性化計画」に基づき、県道瀬高停車場線の老朽化している街路灯整備を進めてまいります。また、JR瀬高駅および周辺市街地の活性化に向け、関係団体と連携したイベントを開催するなど、賑わいの創出に努めてまいります。
事業者支援では、新規創業者に空き店舗の利活用などを紹介し、新たな雇用による地域の活性化、さらには移住定住へと繋げてまいります。また、積極的に生産性向上を進めている小規模事業者を支援してまいります。
事業者への物価高騰対策として、融資預託金を引き続き拡充するとともに、プレミアム商品券の発行やデジタル地域通貨によるポイント給付事業により、地域経済を活性化してまいります。

次に、企業誘致の推進でございます。
みやま柳川インターチェンジなどの、交通の利便性を活かした誘致活動を推進してまいります。インターチェンジ北側の計画地では、令和7年3月の完成を目指して、産業団地の造成工事を進めております。
工業地や物流拠点として高い立地ポテンシャルを有するインターチェンジ周辺におきましては、新産業団地の計画的な整備を推進し、産業の集積および雇用の創出を図ってまいります。

次に、観光の振興でございます。
「第2期みやま市シティプロモーション戦略」に基づき、本市の豊富な地域資源を活かした観光振興政策を積極的に推進してまいります。
九州オルレ「みやま・清水山コース」では、九州オルレ認定地域協議会との連携を強化しながら、国内外からの観光客を誘客し、地域経済の活性化に繋げてまいります。
また、本市の豊かな自然、文化を活かし、都市と農村の交流を進めるグリーンツーリズムを推進するとともに、筑後広域公園内のスポーツ施設と連携し、スポーツの要素を取り入れたツーリズムも、併せて展開してまいります。
さらに、観光協会と連携を強化しながら、着地型観光に力を入れ、地域資源を活用した体験プログラム「みやまぶらり旅」を充実させ、旅行者のニーズに沿った観光を推進してまいります。 

健やかに暮らせる福祉のまちづくり

4点目の「健やかに暮らせる福祉のまちづくり」について申し上げます。

まず、健康づくりの推進でございます。
新型コロナワクチンの特例臨時接種は、令和5年度末をもって終了となります。令和6年度からは、65歳以上の高齢者および60歳以上の基礎疾患がある方を対象に、年に1回の定期接種として実施いたします。
健康診査事業では、若年層の受診率向上のため、40歳の方を対象に住民健診の自己負担額をすべて無料といたします。
また、口腔の健康は、健康で質の高い生活を維持する上で重要な役割を果たすため、歯周病検診の対象者の年齢を20歳からに拡充いたします。

次に、生涯現役のまちづくりの推進でございます。
本市の高齢化率は、令和5年10月現在において39.3%となり、今後も上昇を続ける見込みであります。このことから、すべての市民が住み慣れた地域で自分らしく暮らすことのできる支えあいのまちづくりを目指してまいります。
まず、「第9期みやま市高齢者保健福祉計画および介護保険事業計画」に基づき、介護予防事業を積極的に進めてまいります。元気な高齢者を増やし、地域の支え手として活躍できるよう、フレイル対策を充実してまいります。
また、介護人材の不足が懸念されており、介護員養成研修受講費の支援や、介護事業所と連携して人的状況の把握に努め、県などが実施する人材確保事業の積極的な周知や普及促進に努めてまいります。
さらに、令和7年には、65歳以上の5人に1人が認知症になると予想されており、認知症サポーターの養成や認知症ケアパス活用による普及啓発を進め、幅広い世代に認知症への正しい理解を周知してまいります。
そして、安心して地域で暮らし続けられるよう、地域、関係団体、医療・介護事業者等による見守りのネットワークを広げ、緊急時には、医療・介護の情報共有が可能となる、福岡県医師会診療情報ネットワーク「とびうめネット」への加入を促進してまいります。

次に、障がい者が、いきいき暮らせる環境づくりの推進でございます。
障がいのある方が、地域社会の中で生きがいを持って暮らせるよう、「第2次みやま市障がい者基本計画」の基本理念である「共生社会の実現」を踏まえ、障がいのある方の自立と社会参加を支える、みんなにやさしいまちづくりを目指してまいります。
「第7期みやま市障がい福祉計画・第3期みやま市障がい児福祉計画」に基づき、障がいのある方の各種ニーズに対応するため、基幹相談支援センターを中心とした相談体制を充実し、福祉サービスの提供に努めてまいります。
また、障がい児の支援にあたっては、放課後等デイサービスや児童発達支援サービスなど地域の事業所、関係機関と連携して、地域全体で障がい児への切れ目のない支援を推進してまいります。
さらには、障がいのある方の社会参加を促進するため、就労継続支援事業所や民間事業所等とのネットワークを構築し、就労の場を確保してまいります。

次に、安心とゆとりのある地域福祉の実現でございます。
「第3次みやま市地域福祉計画」に基づき、自助、互助・共助、公助により、誰もが健康で安心して暮らせる、福祉のまちづくりを推進してまいります。
誰もが地域で暮らし続けられるよう、地域で見守り、支え合う仕組みづくりや居場所づくりを進めるため、社会福祉協議会や民生委員児童委員協議会、さらには地域の担い手となるボランティア団体と連携し、地域福祉活動を充実してまいります。 

豊かなこころを育むまちづくり

5点目の「豊かなこころを育むまちづくり」について申し上げます。

本市の伝統や文化、風土、あたたかい人の和の中で子ども達を育み、ふるさと「みやまに学び、みやまを愛し、みやまに生きる」人づくりを目指してまいります。
まず、児童生徒一人ひとりが自分の良さや可能性を認識できる学校教育の充実でございます。
「主体的・対話的で深い学び」、「個別最適な学び」、「協働的な学び」を重点に学校生活に工夫を凝らし、児童生徒が、行きたい、学びたい、楽しいと思える学校を目指し、学校教育活動を充実してまいります。
令和6年度から2学期制を本格実施し、きめ細かな指導による、より質の高い教育の実現を目指してまいります。
本市の特色であるキャリア教育では、小中学校と高等学校の連携や企業との連携により、児童・生徒の目的意識や目標設定の視野がさらに拡大するよう積極的に推進してまいります。
学校再編事業では、高田小学校体育館の建設に着手してまいります。瀬高中学校と東山中学校の学校統合は、アンケート調査の結果を踏まえ、統合協議会の設置に向けた準備を進めてまいります。
ICT機器を活用した学習では、教職員の能力向上はもとより、ICT活用スキル、情報モラルの育成を含めデジタルツール等を効果的に活用することで、より質の高いICT教育を推進してまいります。
いじめや不登校などの対策では、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置し、適応指導教室「さくら」との連携を強化して、組織的な対応を進めてまいります。また、災害時や通学時の安全指導を徹底するとともに、施設や地域の環境整備を図りながら児童生徒の安全、安心な学習環境や学校づくりに努めてまいります。
学校給食費補助につきましては、折からの物価高騰対策といたしまして、物価高騰分を負担するとともに、引き続き、全児童生徒を対象に、一人ひと月1,000円を上限に補助することで、保護者負担を軽減してまいります。
また、学校給食は食育の面で重要な役割を果たしております。今回の悲しい事故の反省から、発達段階に応じた、よりきめ細かな給食指導を行ってまいります。

次に、地域教育力の充実でございます。
学校と地域で連携協働しながら、地域の人材を活かした学校支援活動、地域支援活動、家庭支援活動を充実してまいります。
県が実施する「南筑後未来の地域リーダー育成プログラム」に近隣自治体と取り組み、中学生が地域の理想とする未来について考え、発信・提言することにより、次世代の人材育成を進めてまいります。

次に、生涯学習の推進、文化・スポーツの振興でございます。
市民の皆様の自主的な文化・スポーツ活動を支援するとともに、生涯にわたって学習できる、時代に応じた魅力ある学習講座や研修会など、学習機会を引き続き充実してまいります。
また、県の筑後広域公園を核としたエリア整備の中で、スポーツ・文化による賑わいの場が創出されております。本市では、閉校となった小学校の跡地活用などにより、この地域に更なる付加価値を見出し、総合的な活用を推進してまいります。
越前町との児童交流事業は、幸若舞の縁による貴重な交流であります。メタバースを活用した幸若舞が広く市内外に発信されたことを契機に、これまでの交流の形に加え、新たにデジタルを活用した交流も取り入れながら、事業を進めてまいります。 

協働で進めるまちづくり

6点目の、「協働で進めるまちづくり」について申し上げます。

まずは、住民参画によるまちづくりの推進でございます。
広報紙、ホームページ、SNS、FMたんと、テレビのデータ放送広報サービス等の媒体を通じ、最新情報をタイムリーにお届けするとともに、的確で分かりやすい情報提供に努めてまいります。
また、主要な計画を策定する際には、市民意識調査やパブリックコメントを積極的に取り入れ、市政に対するご意見、ご提案を反映する公聴制度を推進してまいります。
さらに、市民の皆様と行政の協働による、魅力あるまちづくりを進めるために、引き続き、主体的に協働に取り組む団体を支援してまいります。

次に、人権尊重や男女共同参画のまちづくりの推進でございます。
人権課題が複雑化してきており、その解決にあたりましては、人権意識を高め、お互いの多様性を認めあうことがとても大切になります。そのための人権教育を推進し、人権尊重理念の啓発に努めてまいります。
令和6年度から、人権・同和対策室を主担当とし、ドメスティック・バイオレンスなどの相談体制を充実してまいります。
また、「第2次みやま市男女共同参画基本計画」に基づき、男女共同参画社会の実現に向け、性別に関わりなく、仕事や地域活動などに積極的に参画ができ、その個性と能力を十分に発揮できる社会の確立を目指してまいります。 

健全で効率的な行財政運営

最後に、7点目の「健全で効率的な行財政運営」について申し上げます。

まず、簡素で効率的な行政運営の推進でございます。
本市が抱える課題を解決するためには、国、県との連携が非常に重要であると認識しております。「ワンヘルスのまち みやま」を彩るためにも、よりいっそうの連携、協力体制を構築してまいります。
行政機構の見直しでは、より効率的に業務を遂行するため、新たに、総合政策課を設置し、企画振興課から移住定住、ふるさと納税、シティプロモーション、公共交通対策を移管いたします。また、ゼロカーボンシティに向けた組織として、環境衛生課とエネルギー政策課を統合し、環境政策課を設置いたします。
デジタル化の推進では、「みやま市DX推進計画」に基づき、国が進める自治体情報システムの標準化への対応や、出生や転入・転出などのライフイベントに沿った総合窓口の開設を目指し、オンラインによる手続を拡充し、市民の利便性の向上に努めてまいります。
デジタル社会のパスポートであるマイナンバーカードの交付率は、74%を超えております。秋には健康保険の「マイナ保険証」が本格化するなど、カードの利活用が進む中、マイナンバーカード専用車両による出張サービスを継続し、カードのさらなる普及に取り組んでまいります。
人材育成では、県、大牟田市との人事交流を行い、また、後期高齢者医療広域連合に職員を派遣いたします。違った環境で人間関係をつくり、業務を遂行する上で新たなものに気づき、さらに習得して欲しいと考えております。
職員の不祥事や事務処理ミスが続き、市政に対する市民の皆様の信頼が大きく揺らいでおります。市民の皆様の信頼を回復するため、職員研修を充実し、高い倫理観の醸成とリスク管理の徹底など、ガバナンスの強化に努めてまいります。

次に、持続可能で健全な行政運営の推進でございます。
財政状況は、冒頭申しましたように厳しい財政運営が見込まれるものと認識しております。持続可能な行財政運営を進めるにあたり、「みやま市行政改革プラン」に基づき、質の高い行政サービスの提供と組織力の強化に努め、職員と一丸となって効率的な行政運営を行い、財政の健全化を推進してまいります。
学校跡地の有効活用では、これまでの学校跡地検討委員会のご意見を踏まえ、本市の財政状況等を勘案しながら、段階的に事業を進めてまいります。
旧本郷小学校跡地につきましては、筑後広域公園との連携など、周辺環境を活用した方法を検討してまいります。また、高田地区の閉校となった学校跡地の有効活用につきましても、学校跡地検討委員会において協議してまいります。

以上、申し上げました総合計画の7つの政策を中心に予算編成を行った結果、一般会計の当初予算額は、210億4,500万円を計上いたしております。

「変革」の時代を迎え、これからの未来は過去の延長線上にないと認識しております。本市の魅力や可能性、暮らしの豊かさを活かし、ワンヘルスという新たな価値を創造し、時代の流れに沿った施策を推進してまいります。
そして、将来にわたり住み続けることができる、持続可能で魅力あるまちの実現に向け、全力で市政運営に取り組んでまいります。
結びに、令和6年度の市政運営に対するご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、私の施政方針とさせていただきます。長時間のご清聴、誠にありがとうございました。

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電話番号:0944-64-1501

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