メニューにジャンプコンテンツにジャンプ
みやま市

バイオマス産業都市構想について3

更新日:2021年5月28日

ご意見・ご提言

前回、1でお尋ねしたかったのは、「大きく下回っています。」と記載されていますが、数値を見れば、常識的に考えて、「大きく下回っています。」とは言えないと思います。どのような客観的な判断基準に基づくものかお知らせください。また、意図的ではなく誤謬と思われるなら、その対応についてお聞かせください。
前回、2について、回答いただいた中で、液肥の成分検査を年2回実施されているとのことでした。農水省の「汚泥肥料中の重金属管理手引書」を踏まえてのことと思いますが、2回とされた根拠についてお知らせください。3については、ご承知のとおり有害物質の中には地域によって濃度が異なるものがあります。さらには、施肥された田畑で収穫された農産物を、長い方については生涯にわたって食べ続けることになります。このようなことから、全市的な市民の視点から、安全性の確認ためには、すべての施肥された田畑の土壌における有害物質のモニタリングが必要ではないですか。併せて、その結果をホームページ及び広報を通じて定期的に、市民に知らせるべきではないですか。
(令和2年8月受付)

回答

この冊子作成及び液肥利用について、大学教授のご協力のもと行っており、今回の回答についても、教授のご協力により回答します。
バイオ液肥「みのるん」が長年にわたって安全に使用できるかどうかを確認するために、農地へ散布される重金属量を試算します。バイオ液肥「みのるん」の重金属濃度は、肥料取締法に基づいて水分を完全に蒸発させた後の固形物中に含まれる濃度として表記されています。そこで、これらの分析値に基づいて、実際に「みのるん」を農地へ散布する場合の重金属量と散布後の作土層の濃度を計算します。なお、成分分析を実施した時の液肥の含水率は98.6パーセント、乾物率は1.4パーセントです。液肥の水田への施肥基準は10アールあたり4トンです。消化液の乾物率は1.4パーセントですので、10アールあたりに散布される固形物は56キログラム程度となりますので、この固形物を対象として肥料取締法による重金属計測が行われています。
次に、農地へ液肥を散布することで増加する重金属量を考えてみます。まず、農地面積と作土層の厚さから、農地の土の総重量を推計する必要があります。作土層とは、植物を栽培するための土の厚さを示しており、耕起の深さや植物の種類によって変わりますが、ここでは作土層を10センチメートルとして計算します。土の比重は、一般的には2.6から2.7g/cm3(グラムパー立法メートル)で、高有機質土では 1.4から2.3g/センチメートル3の値を示します。そこで、水田土壌の仮比重を1.4g/センチメートル3と仮定します。以上を用いて、10アール水田が保有する作土の重量を試算すると14,000トンとなります。液肥を農地へ散布することは、「作土14,000トン」と「液肥4トン」を混和することです。この時の土壌に含まれる重金属濃度を「作土層の濃度」として把握する必要があります。
下表は、1.乾燥させずに実際に使用する状態での液肥中に含まれる実際の重金属濃度、2.10アールの農地へ散布される重金属の重量、3.散布した後の作土層に含まれる重金属の濃度、4.環境省が定めている土壌環境基準を示しています。環境省が環境基準法において定めている重金属濃度を分析する際は、土へ水を加えて10倍に希釈して分析を行いますので、3.と4.を比較する際には注意が必要です。つまり、3.の濃度を10分の1にした値と4.を比較しなければなりません。または、4.を10倍して3.と比較することになります。
いずれにしても、3.の作土層の濃度は、4.土壌環境基準を比較すると著しく少ないことがわかります。3.と3.の比率を概算すると、ヒ素は基準値の22,702分の1、カドミウムは11,290分の1、水銀は8,750分の1、クロムは41,666分の1、鉛は1,923分の1となります。
つまり、土壌環境基準を超える重金属を散布するには、同一農地へこれらの倍率を超える回数の散布を繰り返す必要がありますが、これは現実的に不可能です。
以上のように、バイオ液肥「みのるん」は、肥料取締法及び環境基準法で定められている重金属の基準を大幅にクリアしています。繰り返しとなりますが、バイオ液肥「みのるん」は、法律の基準をクリアし、国によって品質と安全性を保障された肥料であり、長年にわたって安全に使用できる肥料であると言えます。
このような観点から、含有が許される最大量を「大きく下回っています。」と記載しております。

表.バイオ液肥「みのるん」に含まれる重金属濃度と水田10アールへの散布量

成分名

実際の濃度1

(パーセント)

10アールに散布される重量(グラム)

作土層の濃度(ppm、ピーピーエム)

土壌環境基準 (mg/L、ミリグラムパーリットル) 2)

ヒ素

0.0000154

(0.15ppm)

0.616

0.000044

0.01

カドミウム

0.0000031

(0.03ppm)

0.124

0.000009

0.01

水銀

0.0000002

(0.002ppm)

0.008

0.000001

0.0005

ニッケル

0.0002240

(2.24ppm)

8.96

0.000640

-

クロム

0.0000042

(0.04ppm)

0.168

0.000012

0.05

0.0000182

(0.18ppm)

0.728

0.000052

0.01

1)液肥の水分を蒸発させない状態、実際に農地へ散布する液体状での濃度
2)日本工業規格で定められた方法に基づいて土壌から抽出された水溶液(検液)に含まれる濃度。検液とは、土壌と水を重量体積比10%で混合して調整される(例:土100グラムへ水を加えて1,000ミリリットルとする)。分析方法の詳細は土壌環境基準で定められている。

平成21年3月に農林水産省消費安全局から公表された「汚泥肥料の規制のあり方に関する懇談会報告」において、重金属の基準値は汚泥肥料を同じ農地に毎年100年間にわたって施肥しても、人為的な汚染と判断される値を下回るような量となるよう設定されています。また、この人為的な汚染と判断される値は人の健康被害等に係る試算からみて十分安全側であるとされており、国際的に統一された手法によって確認されています。
これらの具体的な数値基準は、肥料の品質と安全性を確保するために定められている「肥料取締法」へ反映されています。みやま市の液肥は、肥料取締法によって定められている公定法(法律によって定められている分析方法)による成分分析が行われており、肥料として十分な品質と安全性が確保されていることが確認されています。それを受けて、農林水産大臣が肥料として使用することを認可しています。(肥料登録番号 生第 105036号)。
このように、バイオ液肥「みのるん」は、法律で定められた基準をクリアし、国によって品質と安全性が保障されています。
このことから、施肥された田畑の土壌における有害物質のモニタリングを行う考えはありません。
(令和2年9月回答)

このページに関する問い合わせ先

環境衛生課循環型社会推進係(0944-32-8575)

このページに関するアンケート