「多様性と人権教育」について(課題と要望)
ご意見・ご提言
貴重なお時間をありがとうございます。
私たちの社会は個人の自由や多様性が尊重される社会です。ですが、次の3つの“共通の土台”は必要だと思います。
まず、『1.ルールを守ること!』です。
当たり前ですが、規範意識は大切です。高校生にもなると校則を守らない生徒が増えてきますが、ルールは私たちの権利を守るために存在し、破れば誰かに“迷惑”をかけます。
近年ではブラック校則の見直しが進んでいます。納得いかないから守らないのではなく、「他者を納得させた上でルールを改める」のがあるべき姿です。
次に、『2.他者を思いやること!』です。
自由とはいえ人に迷惑をかけてはいけないが、「何に幸福を感じ、何に迷惑を感じるか」は人それぞれです。(幸福・迷惑の多様性)
“喫煙の自由”の行使者は、非喫煙者への配慮(受動喫煙防止など)が必要です。“おしゃれの自由”の行使者は、他者を不安・不快にさせない配慮(タトゥーお断りや染髪・ピアス禁止の校則は人権侵害か?など)を切望します。
このように「迷惑の基準が違う」から、思いやりが必要です。自由の行使者には、他者の権利・幸福を思いやる責任があると思います。
そして、『3.自由に責任を持たせること!』です。
全体主義への反省から憲法は“個人主義”に立っています。しかし個人主義と利己主義は似ています。個人主義は「自由・権利・責任」のトリオがそろい、利己主義はこの中で“責任”が欠けています。
自由がない全体主義も、責任がない利己主義も、どちらも暮らしにくい社会です。「自由と責任のある個人主義」について皆さんで考えてほしい。自由・権利と責任は個人主義の両輪だと思います。
自由や多様化が進むと良いかと問えば、必ずしも良いとは思わない。なぜなら、そこに利己主義が顔を出すからです。自由や多様性が≪迷惑を考えない口実≫になっていると疑っています。
個人主義社会では、判断基準が「みんな」から「自分」へ変わり、“迷惑”も自分基準で考えてしまう。学校・社会で≪自由と責任のある個人主義≫をじっくり話し合ってほしい。
(令和7年2月受付)
回答
個人の自由や多様性が尊重される社会における3つの共通土台の必要性について、学校・社会で<自由と責任ある個人主義>をじっくり話しあってほしい。」という「多様性と人権教育」について(課題と要望)を拝読させていただきました。
いただいた御意見を参考に、人権教育・人権啓発の場を工夫し、人々のつながりを大切にし、自分の人権だけではなく他の人々の人権についても正しく理解し、人権を相互に尊重し合う「人権の共存」の考え方が定着する取組を推進してまいります。
貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。
(令和7年3月回答)
このページに関する問い合わせ先
社会教育課 人権・同和教育係(0944-32-9184)