介護保険利用者負担について
更新日:2024年8月9日
利用者負担について
負担割合について
ケアプランに基づいてサービスを利用するときにサービス事業者に支払うのは、原則としてかかった費用の1割(一定以上所得者は2割または3割)です。また、利用するサービスによっては、別に食費・居住費や日常生活費などが必要となる場合や、介護保険の対象とならないサービス費用もあります。
要介護(要支援)認定者にはサービスを利用する際の負担割合を記載した「介護保険負担割合証」を交付します。
有効期限は8月1日または初回認定の開始日から翌7月31日までです。8月1日現在、介護認定を受けている人には、8月1日以降適用の介護保険負担割合証を7月中旬に普通郵便でお送りします。
一定以上所得者とは
所得要件
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負担 割合 |
本人の合計所得金額が160万円以上で、同一世帯の第1号被保険者の「課税年金収入+ その他の合計所得金額」が単身で280万円以上、2人以上世帯で346万円以上の方 |
2割 |
本人の合計所得金額が220万円以上で、同一世帯の第1号被保険者の「課税年金収入+ その他の合計所得金額」が単身で340万円以上、2人以上世帯で463万円以上の方 |
3割 |
1か月の自己負担が高額になったとき
同一月内に利用したサービスの「1割から3割の利用者負担の合計金額」が高額になり、一定額(上限額=下表)を超えたときは、申請することで、超えた分が「高額介護サービス費」としてあとから支給されます。同じ世帯内に複数のサービス利用者がいる場合には、世帯の合計額となります。
対象となる可能性がある方には「高額介護サービス費支給申請書」を郵送していますので、介護保険係へ提出してください。
施設サービスでの食費・居住費・日常生活費など、介護保険給付対象外のサービスの利用者負担は対象とはなりません。
自己負担の上限額(1か月)
対象者 | 自己負担の上限額(世帯合計) |
老齢福祉年金受給者で世帯全員が住民税非課税の方等 | 15,000円 |
世帯全員が住民税非課税の方で、合計所得金額と課税年金収入額が80万円以下の方等 |
24,600円 (個人の場合)15,000円 |
世帯全員が住民税非課税の方 |
24,600円 |
上記以外の一般世帯の方 |
44,400円 H29年8月から3年間に限り自己負担割合が1割の方は、年間(8月から翌年7月)の負担上限額446,400円 |
現役並み所得相当世帯で、年収約770万円未満の世帯の方 |
44,400円 |
現役並み所得相当世帯で、年収約770万円以上の世帯の方 |
93,000円 |
現役並み所得相当世帯で、年収約1,160万円以上の世帯の方 | 140,100円 |
介護保険と医療保険の自己負担が高額になったとき
同じ世帯内で、医療保険と介護保険の両方を利用しているケースは少なくありません。医療保険には「高額療養費」、介護保険には「高額介護サービス費」という費用負担の軽減制度がありますが、両者を合わせると負担が高額になってしまうケースも多いため、「高額医療・高額介護合算制度」が設けられています。
医療保険と介護保険のそれぞれの月の限度額を適用後、自己負担を合算して年間(8月から翌年7月)の限度額(下表)を超えた場合には、医療保険の窓口へ申請して認められると「高額医療合算介護サービス費」として、超えた金額があとから支給されます。毎年7月31日時点で加入している医療保険の所得区分が適用されます。
自己負担限度額(年額:8月から翌年7月)
区分 | 70歳未満の方 |
年間所得901万円超 | 212万円 |
年間所得600万円超901万円以下 | 141万円 |
年間所得210万円超600万円以下 | 67万円 |
年間所得210万円以下 | 60万円 |
住民税非課税世帯 | 34万円 |
区分 |
70歳以上の方 |
課税所得690万円以上 | 212万円 |
課税所得380万円以上690万円未満 | 141万円 |
課税所得145万円以上380万円未満 | 67万円 |
課税所得145万円未満(注) | 56万円 |
住民税非課税世帯 | 31万円 |
住民税非課税世帯(所得が一定以下) | 19万円 |
(注)年間所得(総所得金額等から基礎控除額を差し引いた額)の合計額が210万円以下の場合も含む。
在宅サービスの費用
在宅サービスを利用する際には、要介護状態区分別に、保険から給付されるサービス費用のひと月あたりの上限額(支給限度額)が決められています。上限の範囲内でサービスを利用する際の利用者負担は1割から3割ですが、上限を超えてサービスを利用した場合、超えた分は全額利用者の負担となります。
《在宅サービスの支給限度額(1か月)》
要介護状態区分 |
支給限度額 |
要支援1 |
50,320円 |
要支援2 |
105,310円 |
要介護1 |
167,650円 |
要介護2 |
197,050円 |
要介護3 |
270,480円 |
要介護4 |
309,380円 |
要介護5 |
362,170円 |
(注)(介護予防)居宅療養管理指導・短期利用を除く(介護予防)特定施設入所者生活介護・短期利用を除く(介護予防))認知症対応型共同生活介護・特定(介護予防)福祉用具販売・(介護予防)住宅改修費支給 等は支給限度額が適用されません。
施設サービスの費用
介護保険施設に入所した場合、サービス費用の1割から3割、食費、居住費、日常生活費が、利用者の負担となります。
食費・居住費の利用者負担は施設と利用者の契約により決まりますが、食費・居住費の平均的な費用を勘案して基準費用額が定められています。
対象施設およびサービス
- 介護保険施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養型医療施設、介護医療院)の食費と居住費
- ショートステイの食費と居住費
基準費用額(1日あたり)
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居住費 |
食費 |
|||
ユニット型 個 室 |
ユニット型 個室的多床室 |
従来型 個 室 |
多床室 |
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介護老人福祉施設・短期入所生活介護 |
2,066円 |
1,728円 |
1,231円 |
915円 |
1,445円 |
介護老人保健施設・介護療養型医療施設 |
1,728円 |
437円 |
利用者負担の軽減について
低所得の方でも施設利用が困難とならないよう、下の表に該当する方は、所得に応じた負担限度額までを自己負担し、基準費用額との差額は「特定入所者介護サービス費」として介護保険から給付されます。(通所サービスにおける食費負担は除く。)
申請が必要です!
申請により居住費・食費は下表の負担限度額の利用者負担となります。適用を受けるためには、申請をして「介護保険負担限度額減額」の認定を受け、認定証をサービス利用の際に介護保険被保険者証・負担割合証といっしょに提示してください。
《負担限度額(日額)》
利用者負担段階 |
居住費等の負担限度額 |
食費の |
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ユニット型 個 室 |
ユニット型 個室的多床室 |
従来型 個 室 |
多床室 |
|||
第1段階 |
生活保護を受給している方 老齢福祉年金の受給者であって本人および配偶者と世帯全員が住民税非課税の方 |
880円 |
550円 |
380円 (550円) |
0円 |
300円 |
第2段階 |
本人および配偶者と世帯全員が住民税非課税で、前年の合計所得金額+年金収入額が80万円以下の方 |
880円 |
550円 |
480円 (550円) |
430円 |
390円 |
第3段階 |
本人および配偶者と世帯全員が住民税非課税で、前年の合計所得金額+年金収入額が80万円超120万円以下の方 |
1,370円 |
1,370円 |
880円 (1,370円) |
430円 |
650円 |
第3段階【2】 |
本人および配偶者と世帯全員が住民税非課税で、前年の合計所得金額+年金収入額が120万円の方 |
1,370円 | 1,370円 |
880円 (1,370円) |
430円 | 1,360円 (1,300円) |
- 介護老人保健施設と介護療養型医療施設、介護医療院、短期入所療養介護を利用した場合の従来型個室の負担限度額は( )内の金額となります。
- 預貯金などが一定以上ある方(単身で第1段階は1,000万円超、第2段階は650万円超、第3段階【1】は550万円超、第3段階【2】は500万円超、夫婦で第1段階は2,000万円超、第2段階は1,650万円超、第3段階【1】は1,550万円超、第3段階【2】は1,500万円超)は、特定入所者介護サービス費の対象外となります。
所得の低い方は利用者負担が軽減されます
介護サービスを利用する場合、原則、費用の1割から3割が利用者負担となりますが、所得の低い方については、高額介護サービス費などで負担の軽減が行われ、さらに特別対策として以下の措置が講じられます。
- 社会福祉法人のサービスを利用するとき
住民税非課税世帯で特に生計が困難な方が、社会福祉法人等が提供する介護サービス(ホームヘルプ、デイサービス、ショートステイ、特別養護老人ホーム)を利用する場合に、利用者負担が軽減されることがあります。