「思いやりと人権教育」について(課題と要望)
ご意見・ご提言
憲法では公共の福祉に反しない限り、個人の自由(幸福追求)を保障しています。
自由な社会は良いイメージですが、ぜひ影にも注目してほしい。
「自由な社会の懸念」と「人権教育の大切さ」を力説します。大事だと思いますので、ぜひ聴いてください。
1.自由とエゴは仲良し
まず、『1.自由とエゴは仲良し(表裏一体)』ではないだろうか?
例えば「喫煙の自由」はありますが、吸わない人はタバコの煙を迷惑に感じます。
今は分煙に厳しいが、喫煙者が多かった昔は「非喫煙者の権利(嫌煙権)」は軽視されていました。
昨今、「おしゃれの自由」を行使してタトゥーを入れたり、髪を明るく染めている人は多い。ただ、「不快感を覚える人の権利」を軽視していませんか?
世界に目を向けます。コロナ禍でマスク着用が常識になりましたが、欧米では「マスクをしない自由」を掲げ、マスク着用を拒否する人たちがいたそうです。ただ、「マスクをする人の権利」も同じく考えなければならない。
このように『2.迷惑のものさし』は全員が同じではありません。だから自由(幸福追求)は「他者の権利(幸福)」を侵害する」のです。
2.だから人権教育は大事
戦後の憲法は個人主義に立脚(全体主義への反省)しているが、個人主義と利己主義は似ています。個人主義は「自由・権利・責任(思いやり)」のトリオがそろい、利己主義はこの中で「責任」が欠けている。
自由がふつうになると利己的になりやすい。『2.個人を尊重する「自由」な社会と他者の権利を考える「責任」(思いやり)は必ずセット(両輪)』だと思います。
だから人権教育は大事です。憲法は「自由及び権利は、国民の「不断の努力」によって保持し、これを「濫用」してはならない(第12条要約)」と戒めています。ぜひとも「思いやりと人権教育」に力を入れてほしい。
自由がない社会も、エゴが多い社会も、どちらも暮らしにくい社会だ。自由は大事だが、「誰かの迷惑になってないか」を「いつも」考える責任があります。とくに社会へ出る前の中学・高校生は「じっくり」と考えてもらいたいです。
(注釈1)『』は最も伝えたい部分(3か所)です。
(令和5年4月受付)
回答
「中学・高校生にはじっくり考えてもらいたい。」ということでしたので、市教育委員会が所管している小学・中学校の教育活動を中心にして回答させていただきます。
小学校や中学校では、社会科の学習において、日本国憲法の三大原則の一つである基本的な人権の尊重について学びます。その中で、小学校では、「わたしたち一人一人が、憲法に掲げられた理想の実現に向けて、おたがいの人権を尊重し合う社会をつくる努力をしていくことが大切です。」ということを学び考えていきます。中学校では、人権と公共の福祉で憲法12条に触れ、そこで「自由や人権を主張する時、同時に他の人々の人権を守るという責任がともないます。」ということを学び考えていきます。
また、小・中学校の道徳教育においても、特に小学校高学年から中学校にかけて、道徳科で「小学校『親切、思いやり』中学校『思いやり、感謝』」、「自主、自律、自由と責任」の道徳的価値について学び、その価値を日常の生活に活かしていこうとする実践力を高めていくように教育活動を工夫していきます。
そして、福岡県人権教育・啓発基本指針に基づき作成された学校の人権・同和教育の全体計画にしたがって、福岡県人権教育の教材、資料等を活用した人権学習が展開されていきます。
ご意見をいただいた価値については、このようにして、上記のような内容を中心に、すべての教育活動の中で、じっくり考えていく機会を設定しながら、すべての人が幸せに生きるために一人一人に必要な資質能力を身につけていくものと考えます。
(令和5年4月回答)
このページに関する問い合わせ先
社会教育課 人権・同和教育係(0944-32-9184)