政治倫理審査会 調査報告書の要旨について
更新日:2022年1月11日
みやま市政治倫理条例第12条(市民の調査請求権)第1項の規定に基づき、瀬口 健市議会議員(以下、「対象議員」という。)が政治倫理審査基準に違反する行為をした疑いがあるとして、市民から調査請求書が提出された件について、同条第3項に基づき、みやま市政治倫理審査会より令和元年12月12日付けで調査報告書が提出されました。
調査報告書は、議会事務局で閲覧することができます。
なお、同報告書の要旨については、次のとおりです。
調査報告書の要旨
1.本調査請求事案の経緯
- 令和元年調査請求(第1号)(令和元年8月30日付け調査請求)
- 調査請求受理後、条例12条に係る署名等の確認(9月)
署名総数 71名、名簿登載者数 62名(名簿未登録者数 9名) - 条例第12条第2項の規定に基づく、みやま市政治倫理審査会へ本事案の調査依頼(令和元年9月26日)
2.調査報告の対象となる事由の該当条項
- 条例第3条第1項第1号(市民全体の代表者として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して不正の疑念を持たれるおそれのある行為をしないこと。)および同項第2号(市民全体の奉仕者として常に人格と倫理の向上に努め、その地位を利用していかなる金品も授受しないこと。)
3.審査会の調査請求事項に対する判断
平成25年5月ごろ、対象議員が当時の市長に対し、市内C事業所に自分の関係する人が経営するA社への立木撤去工事受注に向けての口利きをお願いしたことが原因となって、市長が100万円の呈示をするに至り、その結果B社、A社間の金銭の授受が行われたことが認められる。
市内C事業所発注の解体工事に伴う立木撤去工事は、確かにみやま市の公共事業ではないものの、市長が市内C事業所に対し、一定の影響力を有していることを知り得る立場にありながら、A社への工事受注という有利な取り計らいをお願いすること自体、市議会議員としての立場を逸脱している。
対象議員としては、自分から見返りとして100万円を要求していないとしても、市長へのA社への有利な取り計らいのお願いの結果、市長からの100万円の話が出てきたことは分かった筈であり、その話を了承し、B社、A社間で行われる金銭授受の契機を作ったものとして、その責任は免れないというべきである。
対象議員の行為はA社の私的利益を図る目的で、市長に対し、市内C事業所に同社への工事発注を働きかけるようお願いし、市長の市内C事業所への影響力を不正に行使させようとしたものと認めることができ、条例第3条第1項第1号に、「してはならない」旨規定してある、市民全体の奉仕者の立場を離れ職務に関し不正の疑惑を持たれるおそれのある行為を行ったものと判断できる。
一方、対象議員が本件においてA社から金銭を受け取ったり、不当な便宜を受けた事実を確定できないため、条例第3条第1項第2号の「地位を利用していかなる金品も受領してはならない」という規定違反を認めることはできない。
4 審査会の結論
調査請求書の記載内容や対象者からの弁明書、対象議員、参考人議員の聴取結果を基に慎重に検討を行った結果、対象議員の行った行為はみやま市政治倫理条例第3条第1項第1号に違反する疑いがあるものと判断した。
<参考>みやま市政治倫理条例(抜粋)
第3条 市長等および議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。
(1) 市民全体の代表者として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。