政治倫理審査会調査報告書の要旨について
更新日:2025年3月28日
みやま市政治倫理条例第12条(市民の調査請求権)第1項の規定に基づき、黒田清隆市議会議員(以下、「対象議員」という。)が政治倫理審査基準に違反する行為をした疑いがあるとして、市民から調査請求書が提出された件について、同条第3項に基づき、みやま市政治倫理審査会より令和7年3月14日付けで調査報告書が提出されました。
調査報告書は、議会事務局で閲覧することができます。
閲覧時間は平日の午前8時30分から午後5時までです。
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1.本調査請求事案の経緯
- 令和6年度調査請求(第1号)(令和6年12月11日付け調査請求)
- 調査請求受理後、条例12条に係る署名等の確認。署名総数58名 名簿登録者数55名(名簿未登録者数3名)
- 条例第12条第2項の規定に基づく、みやま市政治倫理審査会へ本事案の調査依頼(令和7年1月6日)
2.調査請求書の要旨
- 対象議員が当選を果たすことができたのは、義兄の多大なる貢献によるものである。
- 対象議員が議員となれば、義兄は政治倫理上、対象議員の2親等以内の親族に該当し、市からの公共工事を受注することができなくなる。
- 結果として、義兄は、配偶者(対象議員の姉)と離婚することになった。
- 対象議員は、そういう政治倫理条例があることを、まったく調べもせず、義兄に説明することもなかった。
- 当選後に対象議員に確認したところ「知らなかった、知っていれば立候補しなかった。法人にすればできるでしょ。法人になってマイナスになるのなら補填する」と発言。
- 議員たるもの、条例を知らないなどということはあるまじきこと。辞職すべき。
- 配偶者や子は、久留米市に居住したままで、生活の実態は久留米市にある。みやま市で立候補するがための、実体のない住民票の異動である。
以上のような対象者の行為は、議員として市民全体の代表者としての品位や名誉を損なうものであり、政治倫理基準に反するものである。対象者には、厳格な審査を行い、議員としての厳重な処分がされるべき。
3.審査会の調査請求事項に対する判断
前提として、みやま市政治倫理条例については、市民の厳粛な信託を受けた市長等並びに市議会議員の倫理について規定したものであるから、調査対象としては、議員に就任された後の言動についてのみとし、議員就任前の言動については対象外としている。以下、本件調査請求に対する判断について報告する。- 調査請求人の主張する「法人にすればできるでしょ」等の発言については、実際に法人化や代表者の変更が行われた事実は確認できず、政治倫理を損なうような行為までとは言えないが、政治倫理条例第20条における2親等以内の親族の受注を禁止する規定を回避するためにそういった提案を行うことは、条例の制定趣旨を軽視する言動であり、この点については、対象議員の認識の甘さを指摘せざるを得ない。次に、調査請求人の主張する「法人になった分のマイナスをお金で補填するという発言も、議員がお金で解決しようとすること自体、議員としての倫理観に欠けている」という点については、実際に金銭の譲渡があった場合はともかく、事実として金銭の譲渡は認められない以上、お詫びとして損失補填したいという発言自体は、政治倫理を損なうような行為とまでは言えない。
- 実体のない住民票の異動については、弁明書及び聴取において否定し、みやま市において母と2人暮らしであるとしており、状況説明においても疑わしき言動は見受けられなかったため、その事実を認めることはできない。調査請求人の主張する「実体のない住民票の異動である」という点については、審査会の調査権限において実施した調査及び対象議員の聴取での発言からは、実体のない住民票の異動とまでは言えない。一方で、対象議員の発言及び親族に対する行動には、市民の厳粛な信託を受けた市長等並びに市議会議員が遵守すべき倫理にいささか認識の甘さが見受けられる。